なつぐも 他二篇――エミリ・ディキンソンの詩篇に基づく(再掲)/石村
 
on the strangest sea;
Yet, never, in extremity,
It asked a crumb of me. }


***



  ふたつの墓
― エミリ・ディキンソン "I DIED for beauty -- " に基づく ―


うつくしいものでいるために
わたしはしんで お墓になりました
お墓ぐらしになれはじめたころ
おとなりさんができました
まごごろをまもるために しんだひとでした

おとなりさんは たずねます
「ねえ どうしてきみはしんじゃったの」

わたしはこたえます
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