夜の中/為平 澪
されて跳ね飛ばされて
砕けながら千切れた左手で傾く首を持ち上げ
何とかまっすぐ歩こうと 追いつけない足を?りつける
コンビニに辿り着く前に恋人と
動かない舌で話をしたような気がしたが
店員に中身のない財布を量りに乗せたら
全てなかったことになっていた
帰り道はさすがに暗いと思い
小指ほどの電灯のボタンを
押して足元を照らしたら
うしろから私がついてきた
左手首で首を斜めに上向かせると
見たままの空が頭の上に貼りついた
星空は私と一緒に動くので
星はどんどんひっかかり
歩くたびに背中が
みるみる重くなる
足元を照らしていた電灯が
地
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