夢見/e R i
けとおくに、のばす
右にも、左にも、下にも、上にも、
名前のない角度にだって
出来るだけとおくに、のばす
19歳の三学期が終わって
ハタチの一学期が始まる
桜がチリチリと燃え上がる、春
どんなに遠くに手をのばしても、バスルームに居る人
にすらアタシの指先は当たらないんだと思ったらなん
だか無性に寂しくなって、遠くに居るはずもない君の
事ばかり考えながらあの夏のことを思いだしていた知
らないうちに生きてきた中で一番遠い記憶になってし
まった夏を太陽がどんなに近づいても照らすことがな
くて、輝くこともないんだと思うと、本当に遠いんだ
なぁと実感などやっとしてしまう有
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