いかなる理由があろうと/狸亭
 
凍結せよ。
もう沢山だ。
歴史の時間だけ積み重ねられた殺戮の記録をこれ以上増やすな

一人の少年の存在を認めよ。
その少年を囲む家族を認めよ。
家族たちの血の繋がりや 争いをも含む、
集落を、その存在を認めよ。

町を、市を、都市を、民族を。
人類が人類であるかぎりにおいて、
あらゆる宗教も無宗教をも越えて、
人間と生物の存在価値を愛さねばならぬ。

地球の冬がいかに永かろうと、
時間は十分にある
宇宙が次第に膨張し破裂するまで、
あるいは次第に縮小し、一点となって消えて行くまで。

理想の青空がどんなに遠く、高かろうと
荒れ野の風がどんなに強く、寒かろうと
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