窓/宮内緑
 
を翔けても白一面、おきにいりの地べたは雪の下だ
こうなるとひとり身をこごめ、どこかで風雪をしのぐほかない

そんな場所すら少なくなったよと
留鳥たちの不平を幾度きいたことだろう
いったいこの国はいつから乏しさを求めるようになったのか
あの古老すずめの悲嘆がよみがえる
かれは笹葉のしとねに沈んで、よい時節に旅立ったものだ
この大雪に凍えなくてすんだのだから

今夜は幾らかの仲間が翼を永久(とわ)にとざすだろう
幸い我が身は寒さを凌げる宿を得た
軒は深く、庇のふところ、風の滞留する場所
ここにはなぜか食べ物まで転がっている
仲間たちにはもうしわけないけれど

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