夜のカフェ/ヌヌヌ
 
面を乱したっぷり時間をかけて水嵩を増していく

毒を湛えた器がすぐ目の前にあるのだという事にあなたは気づいていない
不用意に触れて一筋でも零れ落ちてしまえば、後は一気呵成に溢れるばかり、果たしてそうなれば"よくないこと"が起こる
これは悪い予兆なのだと直感が告げている
そう感じた瞬間には、液体はすでに溢れんばかりに張り詰めている

身を強張らせ固唾をのんで暗闇に目を凝らす
ヒタッ、、、





夜のカフェは臆病と癇癪の吹き溜まりだった、鬱積する不平不満が澱のように漂い、アルコールで浮いたり沈んだりしながら、裏拍の静寂では沈殿した
誰ひとりとして自
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