夜のカフェ/ヌヌヌ
ことは、立ち位置を明確にするが故に、その資質を問われるということである
私は怒る時、果たして私は怒るに値する人間なのだろうかと問う
この自傷めいた煩悶は意識するとせざるとに関わらず、外に向けたのと同じ強さで内向きのベクトルとして私を苛む
どのような人間であれ自身の深層に狂気を内在しているのだということを私達は普段意識しない
憎悪する男の顔が鼻先にあっても気付かないほどの暗闇
闇の中に容器がひとつ設えてある
大人が横たわれる程の巨大な透明の箱に、毒が湛えられている
透明な液体はどっしりと静物のように動かない
ヒタッ、、、どこからか水滴の落ちる音、音は忘れかけた頃にヒタと水面を
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