a spool/終
く染まるときは、ワタシのワンピースは濡れてしまうのです。そんなときは、ワタシは万年筆の羽根を振ります。すると音が鳴って澄ました水の中に在る金の銀のプラチナのバチカンが集います。壁に耳と頬と手をくっつけて身体を寄せて目を瞑ります。すると音が鳴って灰色の砂は薄くなっていくのです。
溜息
澄ました水を眺めるくらいのここは小さな部屋です。
金の銀のプラチナのバチカンをヒトツづつ日記に描きとめていきます。
いたずらに跳ねる水は諦めたように窓枠を静かに眺めています。
音が鳴って銀色の雫が零れ落ちてきます。
ワタシは、ココナッツの木で出来たスプーンを新調したばかりで、うまく使いこ
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