声の要らない詩/e R i
 
世界の不自由さを誰もわかっちゃいない

無限を有限に実現させるコトバ

「手を、つなごう。」

手を握ればソコに居るんだと確かめることが出来るのに
隙間に入り込んだすっぺらい湿り気が邪魔をする
じっとりと重い空気が会話の語尾に絡みついて
夏のドギツイ太陽がカラっと二人を飲み込む

二人が出逢うまでの20分間、最初で最後の彩りは空白のまま
キラキラと汗がにじむ深緑の下の影法師
駆け出したい衝動を制御できない白と黒の横断歩道

有難をとかして、有限を崩して

「ずっと、だよ。」

一番奥の座敷のクッションに埋もれて
最後に君がくれたのは、大切にしまいこんだ思い
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