さわやかにわらう/水菜
 
し、そうやって窓枠から外を眺めることが好きでした

お砂糖なしのハンドドリップで丁寧に蒸らしながら入れたばかりのコーヒーはひどくそこからの景色に似合いで

コーヒーの柔らかな香りが風ととけていくようでした

わたし、お気に入りだったんです


2階の窓から見える景色は、広い水平線
窓のすぐ近くまで伸び切った新緑の葉の黄緑色と
金色に染まる夕日
水平線の向こうには二つ 船が縦に並んではしっています

チリンと鈴の音がして、膝に柔らかで生き物が飛び乗った感触
緑の目と黒いからだの黒猫
緑の目に映る金色の夕日がきれいで


ねぇ、放っておけるひとになりたいと
昔は
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