さわやかにわらう/水菜
昔は必死になっていたように思います
こころの奥が空っぽで
すごくすごく寂しくて
わたし、足りなさに苦しんでいました
ひとつずつ、すこしずつ
欠けた月をすこしずつはめ込もうとするみたいに
そうしていつのまにか
わたしは、昔の閉塞感をわすれて
ねぇ、今のわたしは、愛があるひとなんて口がさけてもいえないのに
わたしは、今、放っておけるひとになりつつあるように思います
足りなさに苦しまなくなって
それでなにか自分が変わったかというと
きっと
風がさわやかにわらいます
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