短詩八編/本田憲嵩
 
か、
「実の子のように愛するから!」なんて、
またもや断言するけど、
もちろんウソ!
ウソばっかり!


世のなか、
ウソが多いから生きづらい、
ウソつきは、
ヒットラーのはじまり!


   「祈り」


理不尽な労働のあとの
黄ばんだ腋臭くさいシャツのように


あるいは劣情のあとの
精液の黄ばんだティッシュのように


あるいは決して取ることのできない
白い便器の黄ばみのように


女たちが
思わずその目を逸らす汚物のように


――私の詩よ、
いつもまぎれもない真実であれ


   「容姿」



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