冬季休園/藤鈴呼
 
まわる 縦横無尽 芝の上

常夏の 飛沫が浮かぶ 白兎

消えそうな 道路に立つは 雪兎

イースター 身近なものは トースター

チンと鳴り 香ばしさだけ 昇る朝

太陽に 負けじ笑顔も 耀いて

楽しげな 声が今にも 響きそう

*

ぼんぼりが 照らすアナタの 唇を

飛び出した 思い出話 揺れている

三層の 岩場に仕舞う 雛人形

大地には 涙の雫 染みて逝く

見てみたい 大人になった 雛人形

*

「テーゼとは なあに?」 定立 「ありがとう」

倒立の 隙間で生きる 逆さまを

逆立ちを しても戻れぬ あの頃に

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