白もやの中で〜ファウスト/Terry
同級生の男子生徒がぶーちを筆頭に、
「達夫、達夫」
と助けようと必死だった。
「この子の記憶が戻るのはいつ?」
「よほどあの試合を思い出したくなったときだろう」
大歓声が沸き起こっていた。その中で、
「本庄くーん」
「本庄」を凛々しく立て、「くーん」は子犬が愛情を求めるような声で彼女は泣いていただろう。すると、二学年の男子生徒が、
「一年全員皆殺しじゃー」
「やるぞー」
「おおー」
「静粛に」
そこで完全に意識を失った。
達夫は渡り廊下を歩き始めた。意識が朦朧とする。まぶしい。頭から記憶が消去される。教室へ戻り、頭をこくりこくりとさせていた。担任教師が達夫の状態
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