白もやの中で〜ファウスト/
Terry
状態をたしなめるような思惑で表彰の事を語った。
「今年はMVPになるはずであった選手が一回戦で敗退して、全てのMVPは廃止になりました。何度も抗議はしたのですが」
達夫はシャープペンをクルクルッと回しながら聞いていた。
「証人の教師は私一人ということで、私としても非常に残念です」
別の話が進むことを察すると、私はペンを机の上へ落とし知らしめた。凍り付くような沈黙が流れた。
(了)
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