創作童話詩/水菜
いる
ばらばらとなってしまった分身達がいくつもいくつも駆け上っていくのを呆然と立ち尽くし見ているのだ
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『ゆら』
ゆらるゆらるゆらり
細い指したあの娘の手いつしか合う物作りましょかと
銀細工を磨いて
るあるりららり
こわい海に飛び込んで闇に喰われたあの娘の心
いつしかとりもどさせようと
願いを込めて
ぐらりぐらりくらり
ふらりふらりらり
呼んでいるのはあの娘でしょか
寂しく笑うあの娘でしょか
ふわるふわるふわりふわり
ふわるふわる
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