創作童話詩/水菜
で踏み留めなかったの
叫び声が消える
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『はりつめる』
はりつめているかのようだ
わたしはずっとそこにたちつくして
なにかをきたいしていたのだ
すりきれた肌は至るところにわたしを落としていく
ばらばらになった心の塊をのみこんでくれたのはだれであるのかとか
この硬いどうしようもないはりつめたいとをほぐしてくれたのはだれであるのかとか
そんなことはどうでも良いことであるのだ
わたしは小さな赤い塊をそっと地面に落としていく
はだしの足は泥濘でよごれ
のめりこんでいる
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