創作童話詩/水菜
 

格子張り巡らされて夢の中にきみ
雛鳥はなきやまずに

あかいかみさまはおほしのそのまたむこうにおります
白い袖を幾重にもたばねて顔を隠して雨
格子のむこうにきみ
白い袖
こぼれ







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  『さなぎ』






いと、を、食み出していました、

箪笥の隙間から、白のすべらかな手、が

か、なしいと一度だけくち、びる うごいたように 見えました

もの いわぬ 口は 唇だけがとてもはげしく か、なしいと つたえて

目の奥に揺れた 想い、は すぐに 消えて




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