創作童話詩/水菜
 

トタッ トタッ トタッ
ザバザバザバッ
ママが、帰って来たのかしら
たっちゃんは、そう思って耳を澄ましました
たっちゃんにとって、嬉しいことのはずのそれは
小さな温みで違っていたと知りました
猫のミミコが、たっちゃんのお布団に潜り込んできたからです
ミミコは、流しに足をとられて、濡れてしまったようでした
鍵っ子のたっちゃんが、お昼寝をしている頃だから
水に浸けていた、たっちゃんのお弁当箱にでも足をとられてしまったのかしら
ミミコが震えだしたものだから、たっちゃんは慌てて、ミミコを乾いたタオルで包みました
ミミコは、ありがとうと言ってくれているみたいに、たっちゃんの小さな手
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