創作童話詩/水菜
した
ガラスの破片のように鋭利なそれは、少女の足元に控えていた母親の目元と足裏を傷付けました
湧き出す泉の色は虹色で光景だけ見ればそこは桃源郷のようでした
泉を囲んで四季折々の花が鮮やかに咲き乱れ
薄紅色の桃の実が辺りに柔らかで酩酊するような香りを辺りに撒き散らしておりました
「おかあさん おかあさん」
ペガサスの羽を幼い指先で掴み
ゆらし
天を仰いでいる目には薄青い空間だけが広がっておりました
*****
『水滴』
トタッ トタッ トタッ
たっちゃんが目を覚ますと、水滴の音がしました
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)