創作童話詩/水菜
る羊水は、過去に浸ることに意識を向けさせる
その内、赤子に戻ってしまえとでも言うかのように
酷く血の腐臭が染み付いているかのような気がする
腐臭が染み付いたかのような手垢のついた死への憧れに
囚われている殻の中から見える世界は、歪みきり、汚れきり、手垢がべたべたと付いてひどく暗い
タールのようにべたついたそれらから臭う腐臭に、胸を病む思いがする
それらは増幅する
妬みや憎しみにべたついた苦しみは、呪となり辺りに染み込んでいく
ねっとりとした空気を感じ取り悪寒を感じる
幽鬼のようなそれらは、縋り付くように次々に殻に触れたものに憑依し、取り込むもしくは、破壊し、断絶させる
殻の周り
[次のページ]
戻る 編 削 Point(5)