死生観/水菜
 
の命を奪って命を繋げている

その事実がひどく罪に思えた

心が醜く汚れていく可能性がありそうな時ほど、自らを責めた

自虐によって、自分に罰を与えることで、なんとか罪を和らげようとしたのかもしれない

応急処置に過ぎなかったけれど、自らの心を汚したくなかったのは、私のちいさなそして、いちばん大切な願いだった

もうその決めていた期限も超えてしまった

超える瞬間の感情を今でもはっきり思い出すことが出来る

私は、まるで、老婆のようだった

老婆から、赤子になったような感覚というのか

精神というものは本当に不思議だ

不思議な感覚をときに体験させる


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