エンドゲーム〜崩壊の序曲〜ファウスト/Terry
 
数字を詐称した。
「達夫後半動きおかしかったぞ」
 男子は全責任を達夫に負わせようとしていた。
「何でパスくれへんかったん」
 しきりに長介が言うものだから、達夫は、
「パスするところに移動しないと」
 声が裏返っていた。
「あーごめん。あー」
 長介が言った。クラスの久米宏が、
「来年がある」
 とほざいていたが、達夫の心情はこうだった。
?お前と離れたかったんだ。来年までバスケをやるつもりか。受験勉強があるだろう?
 またもや責任を負わせようと、
「後半動きおかしかったぞ」
 そう言い、軍団は散った。達夫は司令塔の役割を果たし終えた。青春がこんな形で終わってしまった
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