アンダルシア/佐久間 肇
の音。
夜をつんざく聞きなれない光の音。
あれがアンダルシアでないなら、なにを懐かしもう?
あ。鼻の頭にしわを寄せる彼女の。
腕時計の針の狂い。
チッチッチッと、時間を逃がす。
歪んだ時の流れに、
身を包み、
その放漫。
*
朝になったら、
彼女は少女に戻ってしまうからどうしたらいいだろう?
アンダルシア鳴り響き、
呪いの言葉も吐き尽くされ続けて、
尽くされているのに続けられてて、
僕は、僕たちは、
アンダルシア。
そのなんたるかを知らない。
知らないままでも鉄化弁につまづいてやってくる、
あのアンダルシアの響きを知って。
黄砂
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