アンダルシア/佐久間 肇
 
黄砂と共に風に乗って、ふてぶてしくやってくる。
あの響き。
アンダルシア。

懐かしみは意固地な取り繕いを笑う。
アンダルシアは回顧を笑い飛ばす。
聖戦は、この先の行き止まりにたむろう。
飛び出した風の音に負けず。
彼女は彼女なりのアンダルシアを願い・・・・・笑いものにする。

よくよく考えれば、アンダルシア。
歌声とも取れず、鳴り響き。
コンクリート製の愛情の合間を飛び交う。

そのひとつを手で掴み、
アンダルシア、音の破片は貴女を傷つけるかな。

彼女、彼女は、未だ少女のまま。
夜になったらアンダルシア、彼女を元に戻せ、

 *

クラッシックな家具は偽者で。
夜はとばりの中から出てこない。

彼女が言ったには、
『もうすぐ振り出しに戻ってしまう』らしい。

そんなことは決まりきったことだよ、と僕も言う。
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