海になればいい(飽和編)/涙(ルイ)
 

     暴力を振るわれるのなんて日常茶飯事
     君の顔は躰には無数の傷跡が痛ましく刻まれてありました
     それでも それでもなお君は云うのです
     私がいけなかったから 
     私が彼らの淋しさを解ってあげられなかったからと
     自分を責めながら自嘲気味に笑う君は 
     いまにも消えて無くなってしまいそうなほど 儚く淋し気でした
     君はずっとずっと とても重たい荷物を背負いこみながら
     人生とも生活とも どう折り合いをつけたらいいのか解らずに
     誰にも頼れず たったひとりきりで今日まで生きてきたのですね
    
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