外側への境界/水素
 
いをつけながら、形を保つ
それも良いかもしれない、安全である
ただし、自分でひとつも決めることは出来ない

影が大きければ大きい程に
結局のところ、個の意思は薄れていく
だから、どうにか外側へ旅立てはしないかと、
自由に飛び立てないかと、手探りで外側を目指す
ああ、そういえば、どちらが外側か、
もう分からなくなっている

動けばぶつかるから、そちらへ行ってしまう
ならば、逆方向へ、と向かうも
そちらが外とは限らない

いつか、影の中にも流れがあることに気がつく
その流れに、どちらが外側か教えてもらえる
誰もが、そのぎりぎりを目指して周回しているからだ
その軌道に
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