外側への境界/水素
 
道に乗っかって、ああ、また潮流だ
一体、何回やれば気が済む、また潮流だ

回路の端を通って行く
流れと流れの間を見つける
それに沿えば、いつかは外へたどり着くはずだ、
何故なら皆、外側への境界で折り返しているから

いくつかの境界を渡って、なかなかの面白さを感じていた頃、
ついに外の空気が香る境界の近くへ
なにも準備はしていない
なにも用意はない

用意がない?
本当に?
思い出せ。
それは最初の意思。
つまり、原始の動機。

瞑らせろ、瞼を。
言うことを聞かない手足、身体が
そんなことはさせない。

外は白く見えた。
単純な危険を感じさせた。
瞬く間に恐怖は沸き起こるが、それも一瞬

次には、
影だと思っていたものが
細かい粒子になり

昇る
白い天に
死んだか?

ああ、いいや、死んではいない。
生きているじゃないか。

本当に、周りが良く見える。

しかしなんだ、死んですらいないのか。
まったく、気が抜けてしまうな。
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