古いレコードを聴いていた(遠い空編)/涙(ルイ)
 
君をこんなふうにしてしまう僕に、そんなふうにやさしく微笑んだりしないでよ。
本当は全部、君のせいなんかじゃないんだから。全部ぜんぶ、僕がダメなせいなんだから。
そんなふうに許したりなんかしないでよ。
ねえ頼むから、お願いだから。


ただ一緒にいたいだけだったのに。
それだけで十分だったはずなのに。
一体どこで間違えてしまったのだろう。
どこで歯車が噛み合わなくなってしまったのだろう。
凍りつくような君のその瞳を、いつか僕が解かしてあげたかった。
諦めたように笑う君に、いつか本当の笑顔を取り戻させてあげたかった。
でも本当はそうじゃなかった。
僕にそんな力なんてあるはずが
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