古いレコードを聴いていた(遠い空編)/涙(ルイ)
ずがなかったんだ。
僕のほうこそ本当は、君を必要としていたんだ。
溺れかかっていた僕を、君に助けてもらいたくて。救ってもらいたくて。
これ以上一緒にいたら、本当に君を壊してしまう。
だから今日で終わりにしよう。今日で最後にしよう。
最後の最後まで、僕に気なんか使わなくたっていいからさ。
君と幸せになりたかった。信じてほしい、それだけは嘘じゃない。嘘じゃない。
もっとずっと早くに、こんな風に素直に云えていたら、
もっと違う人生が、二人にはあったのかもしれないけど、
今更そんなことを云ってみたところで、何もかもがもう手遅れになってしまった。
おかしいね、おかしいよなホント。
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