花の殻 湧く、次々と/ヨルノテガム
おにぎりは鯉のぼりに喰われて転がって出て
毒が補給され配給される列にヘビ
自分を何も知らない、自分と何も関係してこなかった
自分と瓜二つの人間が突然現れ
自分と関わる周りの全てのシステムを変更していくと
皆は笑顔に平和に、世界
・眼鏡のレンズにまぶしい光の星は流れ落ちて消え
・彼女の筆は走り 紙に描いたものが手順どおりに
紙から浮き上がって放れ
・鱗に一夜一夜の記憶データを
・砂山のトンネルを手で開いて覗くと見たこともない
美しい女の鰹節みたいな笑顔が待っている
・おにぎりの木
・春に夏を待つ 秋過ぎる冬 再びの春に目を凝らす
わたしは春に
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