駆け巡る冷たい血液/
涙(ルイ)
奴だった
強い酒を毎晩のように飲み明かしては無茶苦茶なことばかりして
まるで自分を罰しているかのように 自分で自分を痛めつけなきゃ気が済まないみたいに
めちゃくちゃな奴だけど ホントやさしい奴だったんだ
あたしの話を真剣に聴いてくれて
辛かったなって云ってくれて
力強く抱きしめてくれたんだ
生きててよかったって その時本気でそう思った
そんなアイツが、バイクで事故ったって聞いたときには
もう頭が真っ白だ
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