駆け巡る冷たい血液/
涙(ルイ)
白だったよ
病院の霊安室で 白い布を被せられたアイツの顔
まるで眠ってるみたいだった
それでもやっぱり 涙は零れなかった
泣いてみようとしたけど ダメだった
悲しくなかったわけじゃない
辛くなかったわけでもない
それでも
雑踏にたたずんでひとりきり
冷たい北風が胸に沁みた
人は争いごとが大好きだ
人の争っているのを見るのも好きだ
誰も止めようとしないのは自分たちの楽しみを、
そう簡単に終わらせられては困るから
争い
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