関係者/涙(ルイ)
 
ないことになってるはずの彼女が
夜の繁華街で知らない男の腕に抱かれてただの
何着もの服を買いあさっては
店を出るなり おもむろにバッグからハサミを取り出して
半狂乱になってズタズタに切り裂きまくってただの
突然泣き出したかと思えば また突然に奇声をあげて叫んだり
親切なお節介焼きが いかにも心配してます風でボクのところへ持ってくる
ボクにはどうすることもできないよと 一言半句も云おうものなら
最低のクズ野郎呼ばわりさ
まったく敵いやしないじゃないか



彼女の心の中で何が起こっているのかなんて
ボクにも もちろん親切お節介にも理解できようはずがない
それでも何かが確
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