関係者/涙(ルイ)
彼女がひとりぼっちで 部屋の片隅で膝を抱えて震えていたとき
ノーテンキなボクはいつものように テレビの前でゲラゲラ笑ってた
彼女が例の彼氏と別れたって 人づてに知ったときも
ボクは取り立てて気にするでもなく 日々バイトに明け暮れてた
それから彼女があまり外を出歩かなくなったと 彼女の友達から聞かされたときも
久しぶりに部屋を訪ねてみたら 見る影もなくやせ細ってしまったと聞かされたときも
ボクにはカンケーないことだと聞かなかったフリをして
夜ごと飲んだくれては酔いつぶれて バカ騒ぎばっかしてた
風の吹くがごとく 彼女の噂は堪えることがなかった
外に出歩けない
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