救急室3/オダ カズヒコ
 
遇や世界にあっても、仲間になれそうな他の誰かを必ず見つけ出すことができるのだ。

しかしだ、ぼくの放り込まれたこの「救急室3」は、重症患者が多いらしく、胃腸炎でひたすら嘔吐き続ける十六歳の女子高校生、熱中症で倒れ運び込まれた主婦や、始終ストレッチャーで運び込まれる患者が出入りし、カーテンで塞がれてよくは見えないが、なんらかの「応急処置」を施されては緊急の往来を繰り返しているらしいのだ。泣き叫びながら嘔吐する女性が、数人の看護師に抱きとめられ「大丈夫!大丈夫だよ」と励まされている声がずっと聞こえる。

さながら野戦病院のごとき様相を呈しているのだ。

ぼくをここに連れてきた看護師のことを
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