救急室3/オダ カズヒコ
し、歩き出した。彼女はぼくが、ちゃんとついてきているかどうか確かめるように、二度ばかり後ろ振り返った。
「救急室3」と札の掛かった病室につくと、ぼくをその部屋に押し込んで、カーテンレールで間仕切りされたベットに案内し、「先生がくるまで、ここでしばらく待ってて」と言ってカーテンをピシャリと閉めた。
そして、カーテン越しの向こう側で「きゃっ!貼っちゃった」と言って出て行った。
何を「貼った」のか?カーテンを開けて見てみると「内科 オダさん」とだけ書かれたメモがカーテンの表側に貼り付けられていた。
多分、楽しい性格の看護師さんなんだろう。
そう考えて、ベットにしばらく寝転が
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