救急室3/オダ カズヒコ
い。世の中と同じ、病は内部に深く潜み、表面にはそうそう現れないのだ。
などと思っていると、
「何科を受けられますか?」
と、唐突に黄色いシャツを着た少女に声をかけられた。顔に発疹が出ていること。頸部のリンパ節の辺りが腫れていることを告げると、看護師に相談してきます。そう告げると、病院の廊下を駆けていった。実際、どこの科を受けるのが適切なのか、よくわからなかったのだ。
走って戻ってきた、黄色いシャツの少女は、少し息を切らしながらも、嫌な顔一つせずぼくに一枚の紙切れを渡し「内科を受けてください」とそう言った。
その紙切れには、「十一」という番号と、カタカナでぼくの名前が書かれ
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