ぼくのユニバースへ、ようこそ/乾 加津也
に似て無性に明日を担保したくなる
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凍(つめ)たい街の夜を歩く、マッチ売りの少女(註1)の幸せな屍に出会う、名もない少女に楽しい空想をもたらした炎、ぼくは墨跡を流し流し空想する、少女自身で、明るいメロディに生まれたのかしら、紅いマッチ棒が少女の五線譜(からだ)に小気味よく散る刹那、かみんぐ、かみんぐ、えばーらすと、かみんぐ
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愛の象徴(しるし)に惑う薔薇の、色めき香り傷つけるさだめ、いずれマリーはクオリアを捨てて部屋をでて、思いのたけを叫ぶだろう(註2)、ひとよ、大学講堂を燃やし探査衛星であばら骨を尋ねる愉快なひとよ、ミルキーウェイを喝破し、指を鎮め、はるかな
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