imaiti/竹森
 
寂に、戦慄が浸透していくのですよ。気の休まる瞬間が、ついにはなくなってしまうのですよ。ついには、アパートにいても、いなくても。
ああ、僕は、日常に根づいた詩なんて書きたくない。日常は嫌な事ばかりだ。嫌な奴ばかりだ。日常に根づいた詩なんて読みたくない。読みたくないんだ。誰も書かないでくれ。誰か、人が深海で腐敗していく過程を詩にしてくれよ。バイトの昼休み中に、暗い休憩室で、携帯の画面を光らせながら、その詩を読むから。もう世界はおしまいだと、誰か、綴ってくれよ。おしまいなのは、俺だよ、と。俺の人生だよ、と。いや、俺の人生が、おしまいになるには、まだもう少し、かかるだろう、と。
今朝も目覚めると同時に
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