imaiti/竹森
 
時に夕暮れろ、夕暮れろ、と、念じ続けていました。こんな俺の言葉で空が夕暮れるには、とてもたくさんの夕暮れろが必要だ。畜生。せめて俺はどこでもいいから学校の女子トイレを利用したい。工事現場の簡易トイレに男女の区別はないけれど、哀しいかな、工事現場には汗臭いおっさんしか居ないんだ。そして俺は、トイレ自体が性別を含有しているのだと主張しはじめる。「浮浪者の唾液の染みた公園のベンチに座る女の子かな」と、一首したためる。
人が怖い。人が怖い。あなたが怖い。あなたが怖い。あなたが住んでいる場所はもう割れています。深夜だからこそ。今から僕はあなたのところへ向かい、そしてベルを鳴らし、それよりも先に窓を割り、鍵
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