詩のレシピ(改)/hadukino
 
もっていかれにくい。上手くいけば身代わりの背を押す。後は冬まで美味を堪能するんだ。

飲み込んだものが何なのかを聞く前に「おいしい?」と問われ、カエルの鳴き声で応えたので、王子様に戻してもらわないといけない。水辺も陸地も気にせずに飛び跳ねて遊んだ昼間のことはもう忘れてしまった。快楽の一欠片だけがポケットに残っている。

答えが箸の先から剥がれないので、いつまでたっても僕のものにならない。味覚だけが研ぎ澄まされ、腹はいつまでも満たされない。まだ読書量が足りないのか。贅肉は無駄な知識の蓄積なら蘊蓄でも語れればいいのに、ただだらしなく揺れているだけだ。

鬼子飼う親が夕食の支度に食えたもんじ
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