ハンドジャンプ/kaz.
らいの耳の良さなんだ。しかもそれだけじゃない。これは反響定位って巷では言われているらしいが、ぼくはその超音波を使って物の位置も形も理解することができる。それで君がさっきから言い続けているホップ、ステップ、ハンドジャンプ、これがまたものすごい音の塊になって飛んでくる。漫画で言うなら、ホップのところでビールの泡みたいなのが飛んできて、ステップでバスの段差で転げ落ちたお婆さんが飛んできて、ハンドジャンプで逆立ちしたままの筋肉男が飛んでくる、そんな感じだ。そして、君がその口を閉じない限りは永遠にビールは泡を吹き出し続けるし、お婆さんは段差を転がり続けて血を流すし、逆立ちしたままの筋肉男は汗を流し続ける。や
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