ハンドジャンプ/kaz.
 
。やがて泡と血と汗とが混ざり合った液が、辺り一面に広がっていって、逆さまになったぼくの頭すれすれのところまでせり上がってくる、こりゃあとんでもないことになったと、ぼくは無理やり起き上がって飛び立とうとする、でも足は相変わらず木の枝に引っかかったまま取れそうもない。それで仕方が無いから、長いこともがき続けていたら、いつの間にか木の枝を軸に体がぐるぐる遠心力をつけて回転していて、頭があの液を何度も跳ね飛ばしている。君の顔にかかっているそれが、めまぐるしく変転する視界の中で何回かちらつく。それに気づいたとき、どうしてぼくはこんなことになっているんだろうとようやく考え始めて、こうなる前は、ひっくり返ってい
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