脈動/葉leaf
 
噛んでしまったり散々だった。放送の日がやって来た。上司に言われ職場でラジオを流したが、私はハラハラしながら聞いていた。だが、現場の一番偉い上司は一言一句漏らすまいと丁寧に聞いてくれ、放送終了後私に心からのねぎらいの言葉をくれたのだった。私は強く心を打たれた。こんなにも仕事ができない自分の努力を認めてくれたということに、涙が出そうなくらい喜んだ。もちろんそれは賤民の喜びだ。地位の上下を前提とした喜びだ。だが、労働には、このような他者との応答の中で築かれていくリズム、仕事に応えていく中で形成されていくリズムがないだろうか。

自分には自分のリズムがある。それは華やかに乱舞することもあれば暗く停滞す
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