脈動/葉leaf
滞することもある。このリズムは確かに侵してはいけないのかもしれない。だが労働というものは自分のリズムに何か新しいリズム、脈動を加えてくれるものではないだろうか。どんなに気持ちが沈んでいても、楽しい仕事に取り掛かれば自然とその仕事のリズムに巻き込まれて、沈んだリズムに楽しいリズムが混ざってくる。不毛な悩みに巻き込まれていても、人と仕事の話で盛り上がれば悩みの混雑したリズムもどこかほどけていく。仕事には独自の多様な脈動があり、自分の脈動に重なったり加えられたりして、どんどん新しい脈動を生み出していく。自分が一つの旋律であるとするならば、仕事はそこに重なっていく第二第三の旋律として音楽を豊かにしていくであろう。労働には人間に干渉してくる脈動する生命がある。
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