職人とブタ/オダ カズヒコ
れにあたって俺にもさ
ちゃんとした十分に納得する説明や
それを受ける義務と権利がある
つまり インフォームド・コンセントというやつだねと」
マルボロを吹かしながら ゴミ箱の上で
ブタは上目使いに僕を見上げながら言うのだ
サービスエリアのレストランで
僕らは向かい合わせになって昼食をとった
嫌な食べ方をする
ブタはまるでポリタンクだ
食後のコーヒーを飲んだ後
僕らは再び車に乗り込んだ
バックミラーでブタを確認すると
彼はヘルメットを被っていた
そこにはゴシック体の文字で
「安全第一」と そう書かれていた
160キロほど出ていた車のスピード
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