ナニカ/草野大悟2
めてくる相手に手を出すことはいっさいなく、学校を休むことも決してなかった。
市教育委員会に学校からの報告が届いたのは、二ヶ月後のことだった。それを受けた市教育委員会は県教育委員会に申報した。
夏美が職場を去って一ヶ月もすると、マスコミは波が引いたように姿を見せなくなった。メディアからも野津達の話題はすっかり消えてしまった。それでも職場では、無関心を装う冷たい視線が相変わらず野津を刺し続けていた。
「野津君、ちょっと」
総務局長が野津を呼んだ。
「ちょっと小会議室に行こうか」
総務局長は、席を立ち小会議室へと向かった。
「野津君、君しばらく休養したらどうかね。それに、今の
[次のページ]
戻る 編 削 Point(0)