ナニカ/草野大悟2
、お代わりを注文した。
お通しの枝豆をつまみながら二杯目を飲み干し、三杯目を注文した。卒業後に書いた小説が二本とも大きな賞を取ったことなどを熱っぽく喋り続け、いっこうに相談するそぶりさえ見せない理沙を前に、野津は、余程重要な相談なのだろう、と身構えていた。時間が
過ぎていった── 。
痺れを切らした野津は、「ところで……」とうとうそう切り出した。
「ところで、急いで相談したいことって何?」
理沙が、野津を見つめた。
「野津君、今、好きな人とかいるの?」
「えっ
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