小屋/草野大悟2
うに小屋に馴染み、小屋に守られ、その一部となってひっそりと生きている。
吸い込まれるように小屋に入ってくる客にも、いろんな人たちがいる。
一日の全ステージ、四ステージを最初から最後まで見る人、酔っ払ってダンサーにやたらと触る人、アベック、男の二人連れ、ポラでダンサーの陰部を撮りまくり一枚千円を出して全部買ってゆく人、まな板ショーで真っ先にステージに上がる人、いろんな人の後ろ姿を僕は長い間照明室から見てきた。
僕がこの小屋に来て、確か三年目の冬だったと思う。それまで一度も見たことのない老紳士が、毎日のように小屋に来るようになった。
彼は、一番後ろの席に座り、一回目のステージから
[次のページ]
戻る 編 削 Point(1)